葛根湯(かっこんとう)

構成生薬 : 葛根,麻黄,桂皮,芍薬,大棗,生姜,甘草

効果・効能 : 自然発汗のなく頭痛・発熱・悪寒・肩こりなどを伴う、比較的体力のあるものの、感冒・炎症性疾患・肩こり・上半身の神経痛・蕁麻疹

葛根湯を好まれる患者さんは当院に何人かみえます。
葛根湯は風邪に効くし、肩こりにも効くので、常備していて便利な方剤です。
葛根湯が一番いい適応は、寒気がして、首筋に張りがある風邪の初期です。
このような風邪の初期に、汗をジワーっとかくまで3時間ごとに3回くらい服用します。
すでに汗をかいてしまっているような場合や、風邪ができあがってしまった状態では効果がありません。
ですから常備していないとタイミング良く服用できません。
葛根湯には麻黄という生薬が配合されていて、この麻黄が解熱作用を有します。
麻黄が配合されている方剤は、麻黄湯、葛根湯、小青竜湯、麻黄附子細辛湯があり、この順番で麻黄の効果が高いとされます。
しかし、この麻黄を服用すると悪心や動悸を訴えられる方があります。
体格がガッチリした方を「実証」、弱々しい方を「虚証」といいますが、実証の方には麻黄湯や葛根湯,虚証の方には麻黄附子細辛湯、中間証に小青竜湯と大ざっぱに振り分けます。
しかし、実証と思っても、麻黄附子細辛湯で悪心がくる方や、虚証と思っても葛根湯が平気な方もみえるので、実際は服用してもらわないと、合う合わないはわかりません。