小柴胡湯(しょうさいことう)

構成生薬 :  柴胡(さいこ), 黄芩(おうごん), 人参(にんじん), 半夏(はんげ), 甘草(かんぞう), 生姜(しょうきょう), 大棗(たいそう)

効果・効能 : 体力中等度で上腹部がはって苦しく,舌苔を生じ,口中不快,食欲不振,時により微熱,悪心などのあるものの次の諸症
1.諸種の急性熱性病,肺炎,気管支炎,感冒,胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法,リンパ腺炎,慢性胃腸障害,産後回復不全
2.慢性肝炎における肝機能障害の改善

小柴胡湯というと、今から25年ほど前は2の慢性肝炎患者さんによく投与されていました。しかし、インターフェロンと併用すると間質性肺炎という重症合併症が起こりやすいことが分かり、現在ではほとんど使われなくなりました。
もともとこの方剤は、急性期を過ぎた風邪に使われます。最初は喉の痛みだけだったのが、咳を伴うようになった頃、風邪をひいて3、4日経った状態で、この時期に右上腹部を抑えると胸脇苦満(きょうきょうくまん)といわれる痛みがあり、舌には白い苔がみえます。これらの所見を指標に投与すると、喉の痛みや咳が和らぎます。