抑肝散(よくかんさん)

構成生薬 : 釣藤鉤(ちょうとうこう)柴胡(さいこ)茯苓(ぶくりょう)甘草(かんぞう)川芎(せんきゅう)当帰(とうき)蒼朮(そうじゅつ)

効果・効能 : 虚弱な体質で神経が高ぶるものの次の諸症
                  神経症,不眠症,小児夜泣き,小児疳症

漢方医学において、肝臓は感情をつかさどる臓器とされています。
抑肝散はこの肝臓の高ぶりをコントロールする生薬です。
分りやすく言えば漢方の精神安定剤といえます。
しかし、漢方薬は西洋薬の精神安定剤と違って眠気はきません。
ここが漢方薬の不思議なところですが、寝るときに頓用で服用するのではなくて、1日3回服用することで不眠症に効果があります。
また、ふつふつと込み上げてくるような怒りに対しての抑制効果もあります。
最近はこれを応用してアルツハイマー病の患者に投与すると、暴力・暴言などの周辺症状といわれる問題行動を改善させるという多くの報告があり、大変注目されています。