桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

構成生薬 :  桂皮(けいひ)芍薬(しゃくやく)大棗(たいそう)甘草(かんぞう)生姜(しょうきょう)竜骨(りゅうこつ)牡蛎(ぼれい)

効果・効能 : 下腹直筋に緊張のある比較的体力の衰えているものの次の諸症:小児夜尿症、神経衰弱、性的神経衰弱、遺精、陰萎

(45)桂枝湯にカルシウムを含む哺乳動物の化石とカキの殻を加えた方剤です。
カルシウムは精神安定作用があり、虚証の不安障害に使われます。
体力がない痩せ型の方で、腹筋の緊張感や腹部大動脈の拍動を表面から触れる(臍上悸(さいじょうき))ことを指標に処方します。
桂枝湯は風邪薬なのですが、これにカルシウムを加えると別の方剤に変わってしまうところが漢方の不思議なところです。
同じ竜骨牡蛎を含む、(12)柴胡加竜骨牡蛎湯は実証向きの方剤で、柴胡を含む方剤の処方指標となる右季肋部(きろくぶ)の圧痛(胸脇苦満(きょうきょうくまん))の有無が使い分けの一つの参考になります。