十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

構成生薬 :  芍薬(しゃくやく), 茯苓(ぶくりょう), 甘草(かんぞう), 地黄(じおう), 黄耆(おうぎ), 人参(にんじん), 桂皮(けいひ), 川芎(せんきゅう), 蒼朮(そうじゅつ), 当帰(とうき),

効果・効能 : 後の体力低下,疲労倦怠,食欲不振,寝汗,手足の冷え,貧血

胃の薬である(75)四君子湯(しくんしとう)と貧血と冷えの薬である(71)四物湯(しもつとう)がベースになっている方剤です。
十種類の生薬で、全てを余すところなく大いに補うという意味で命名されているそうです。
黄耆と人参が入っている生薬は人耆剤(じんぎざい)ともいわれ、元気を出させます。
つまり十全大補湯は、効果・効能のままですが、貧血気味で顔色が悪く、冷え性で、食欲が無くて、元気が出ない人向きの方剤です。周りに結構こういう方はみえると思います。
ちなみに、手術後や慢性疾患で体力が低下している場合も良い適応になります。